中小企業診断士事例Ⅳ 財務・会計約90点獲得

中小企業診断士 2次試験 事例Ⅳ 合格者の学習メモ公開NPVミス防止チェックリストと頻出ミスパターン【令和元〜5年】

2024年度2次試験で事例Ⅳ約90点を獲得した筆者が、NPVミス防止チェックリスト・CVP・経営分析・CF計算・オプション取引の頻出ミスパターンを公開。計算ミスを減らして事例Ⅳ高得点を狙う人向けの学習メモです。

更新日:2026年5月2日

はじめに

筆者は2024年度の事例Ⅳで約90点を獲得しました。この点数は決して特別な才能によるものではなく、「計算ミスをしない仕組みを作ること」と「頻出パターンを覚えること」の積み重ねです。

この記事では、過去問を繰り返し解く中で気づいたミスパターンとその防止策をまとめます。

📝 あくまで私自身のミスのメモです。誰かの役に立つかと思い、生々しく公開しています。

NPVミス防止チェックリスト(10項目)

NPV計算を始める前に、このチェックリストを頭の中でなぞる習慣をつけることが高得点への近道です。

1単位が不揃いになっていないか(千円と万円の混在)
2計上している収益は現金収入を伴うものだけか
3既存設備を切り替える場合、減価償却費を更新後の費用に変えられているか
4既存設備を併用する場合、両方の減価償却費を考慮できているか
5キャッシュフローは投資による増分のみに限定できているか(差分のみに着目)
6税金を考慮したキャッシュフローになっているか
7同じ数値が複数年続く場合、本当に条件が同じか確認したか
8除却損は非現金支出として足し戻す金額に含めたか
9プロジェクト終了時の残存価額を投資CFに記載したか
10期初と期末を丁寧に整理したか(混乱しないよう「期末/期初」と書き分ける)
特に注意:税金の考慮(6番)は最も頻繁にミスが発生するポイントです。NPV計算のたびに必ず確認してください。

経営分析(収益性・効率性・安全性)の頻出ミス

  • 収益性・効率性・安全性の3観点は基本的に全て触れる(例外なし)
  • 安全性は短期安全性・長期安全性・資本構成に分解できる
  • 「安全性」を「安定性」と書き間違えないこと
  • 1%を下回る指標は桁ミスに注意(%表示は100を掛ける)
  • 自己資本には非支配株主持分を含めない
  • 営業外費用が突出して大きい場合は負債増加に言及する
  • 与件文で言及されていない指標は優先度を下げる

収益性

  • 売上高営業利益率
  • 売上高経常利益率

効率性

  • 棚卸資産回転率
  • (棚卸資産が高い場合に言及)

安全性

  • 流動比率・当座比率
  • 自己資本比率

CVP分析の注意点

固定費÷限界利益率=損益分岐点売上高(個数ではない)
切り上げか四捨五入かを毎回設問で確認する
勝手に四捨五入しない(指示がない場合は切り捨てでもなく正確な値)
売上高が増加したとき変動費も増加することを忘れない(頻発ミス)
営業レバレッジが低いと外部環境の影響を受けにくく、柔軟性が高い
費用構造を問われたら変動費と固定費の関係が聞かれていると考える

CF計算のポイントと落とし穴

NPVのCFは営業利益ベースで計算する(経常利益ではない)
支払利息はWACCで考慮するため、CFでは営業利益を使う
除却損は特別損失として計上し、非現金支出のため営業CFに足し戻す
帳簿価額が残っているものを売却額が下回る場合→残りを特別損失として処理
その特別損失も税金の対象になることに注意
投資CFに売却価額を記載することを忘れない(毎回失念しやすい)
複雑な計算ほど、最初にシンプルな計算方法を検討してから始める

オプション取引の整理

輸出の場合

  • 決済時に受け取ったドルを売る→ドルのプットオプション
  • 円高になると権利行使→為替差損を回避
  • 円安になると権利放棄→為替差益を享受

輸入の場合

  • 決済時に円でドルを買う→ドルのコールオプション
  • 円安になると権利行使→為替差損を回避
  • 円高になると権利放棄→為替差益を享受

共通事項

  • 権利行使したらオプションプレミアム以外の費用なし
  • 権利放棄したらオプションプレミアムの費用が発生
  • 為替予約は差益も差損も発生しない(フラットに確定)

年度別:自分が外したポイント(抜粋)

各年度で実際に失点した箇所と、複数周解いたときの気づきをまとめています。

令和元年度(複数周)

  • 最初:NPVで営業CFが1つ抜けていた
  • 2周目:税金を考慮し忘れた。同じ数値が連続する年度で前の年の値をコピーして転記ミス
  • 3周目:新しい設備の減価償却費を計算したのに反映を忘れた。税引きの視点が途中で抜けた

令和二年度(複数周)

  • 最初:借入金が増えると現金も増えるという仕訳の基本を誤った。NPV1つ営業CFが抜けていた
  • 2周目:負ののれんを言及する際に金額が抜けていた。資産の増加に関して減価償却費が混入した

令和四年度(複数周)

  • 最初:経営分析で定量的な言及(指標を構成する因数)が弱かった。固定費の定義(外注しても発生する費用)を誤解していた
  • 2周目:共通固定費の引き忘れ。解答後に設問文を見直す習慣をつけることが重要

令和五年度(複数周)

  • 最初:NPVでCFを求める際に固定費を失念した
  • 2周目:固定費の配賦でコスト構造の違いに言及する。活動基準原価計算(ABC)が正式名称

30日完成テキスト(各dayの気づき)

  • Day1:当座比率は流動資産から棚卸資産を除いたもの(その他流動資産も含めない)
  • Day2:土地も有形固定資産であることを忘れない
  • Day20:年金原価係数と複利原価係数を組み合わせるとき、年金原価係数が1年基準点より戻っていることに注意
  • Day21:増分の営業利益でNPVを計算すると楽になるケースがある
  • Day22:売却後の営業CFを計算に含める

まとめ:事例Ⅳで高得点を狙う思考パターン

1NPVを始める前に10項目チェックリストを頭の中でなぞる
2税金の考慮は毎回意識する(最頻出ミス)
3転記・書き写しは同じ数値でも必ず計算式を書いてから記入
4設問文の読み飛ばしを防ぐため、解答を書いたら設問文に戻って確認する
5複雑な問題ほど最初に計算方法の方針を立ててから解き始める
6経営分析は収益性・効率性・安全性の3観点を必ず網羅する

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